集塵するための仕組みがシンプルで、導入及びランニングコストが他方式よりも安価に収まる重力式集塵機。その集塵機としての特徴や導入することによるメリットやデメリット、集塵効果が期待できる製造現場などについて紹介します。

重力式集塵機とは、含塵ガスを通過させる間に物質粒子に働く重力を利用してガスから分離、自然沈降させて集塵するもの。装置内では1~2m/秒と遅めの流速によって含塵ガスを通すことで、粒子の重力による分離を可能とする仕組みです。
装置内には沈降室があり、集塵する粒子径に合わせて複数の多段沈降室を持つ製品もあります。集塵機の中では含塵ガスを通過させるだけのシンプルな装置ですが、沈降室の容積が大きくなるのも特徴の一つといえるでしょう。
重力式集塵機のメリットといえるのが、導入時の設備も導入後のランニングコストも他方式の集塵機と比べて、安価になるということ。構造がシンプルな集塵機ならではの特徴といえるでしょう。仕組みのシンプルさによるメリットは、他にも圧力損失を0.1~0.15kPに抑えられるといった点にもあります。
重力式集塵機のデメリットは、集塵率が40~60%と低めになってしまうこと。『新・公害防止の技術と法規〈2009〉大気編』 社団法人 産業環境管理協会(丸善)によると、重力式集塵機の集塵率が90%を超えるのは約20μm以上の粒子径だとされています。従って、粒子径のより小さな煤塵や粉塵を重力式集塵機のみでしっかりと集塵するのは難しいといえるでしょう。
重力式集塵装機に求められるニーズは、最終集塵機としてよりも一次処理装置としての役割が一般的。製造現場でも単体で導入するよりも複数の集塵機と組み合わせて利用されます。
粒子径の大きな物質を分離させる目的で利用される集塵機ですが、微細な粒子を集塵しなくてはならない製造現場には適さないというわけではありません。前処理用途で重力式集塵機を設置しているケースもあり、最終的な集塵率を高める意味でも重要な装置ともいえます。
また、下記リンクでは、産業用の集塵機を扱うメーカーを【一覧】でまとめています。導入・検討材料として、ご覧ください。
重力式集塵機は含塵ガスを沈降室内に通すだけで一定の集塵効果が見込めるため、ランニングコストの抑制も含めて製造現場における環境対策に寄与しています。加えて、他方式の集塵機に対する前処理を担う点で、重力式集塵機は多くの製造現場に導入され、施設周辺の自然環境及び従業員の健康確保にも貢献する装置だといえるでしょう。
下記リンクでは、集塵機メーカーが行う「SDGs」について紹介しています。工場でも行える、環境問題に配慮した取り組みが気になる方は、チェックしてみましょう。
集塵機には様々な特性をもった製品があります。実際に集塵機を導入する際には、用途や環境に応じて適切なものを選ぶことが重要です。ここでは、排出する粉塵や設置スペースに適した製造現場に合わせたおすすめの集塵機を3つご紹介します。
レーザーマーカーのヒュームを除去
電子機械製造業へ導入
引用元:チコーエアーテック
https://biz.chiko-airtec.jp/lineup/
連続稼働で塗装面の異物吸着を防ぐ
自動車産業へ導入
引用元:新東工機製作所
https://kshinto.co.jp/product/dust/
反応工程で発生する有害ガスを除去
洗剤・洗浄剤製造業へ導入
引用元:集塵装置株式会社
https://www.ducoll.co.jp/product/factory/