粒子径が大きく質量も大きな物質の分離・集塵に強みを発揮する慣性式集塵機。その集塵機としての特徴や分離方法の種類、導入することによるメリットやデメリット、集塵効果が期待できる製造現場などについて紹介します。

慣性式集塵機の「慣性」が意味するのは、装置内で含塵ガスの流れを直進させると、そこに含まれる粒子にも直進するための力が働くという原理。粒子径が大きな物質ほど質量も大きくなり、それに比例して粒子の慣性力も大きくなるのも慣性式集塵機の特性のひとつで、粒子径100~10μmの集塵に対応できます。
粒子を分離する仕組みは2種類。装置内に設置された板に含塵ガスを当てる方法と、装置内で含塵ガスの流れを方向転換させる方法とがあります。
慣性式集塵機は含塵ガスが流れる速度と、分離したい粒子の慣性力とを利用して集塵する仕組みであるため、設備自体の費用も、ランニングにかかる費用も比較的抑えられるのがメリット。集塵率は50~70%と高いとはいえないものの、40~60%となってしまう重力式に比べれば優位性があるともいえます。
慣性力を利用する重力式集塵機は、高速で流れる含塵ガスから粒子径が大きな物質を集塵することに適しているともいえますが、ガスの流速が速過ぎると装置内で方向転換させた粒子が再び飛散してしまうという点が注意ポイント。集塵機としての特性が、用途によっては集塵率を下げるデメリット要因となるケースもあることは憶えておくといいでしょう。
慣性式集塵機は必ずしも集塵率が高いわけではなく、どちらかといえば大きな粒子径の集塵を得意とするため、製造現場ではプレダスターとして導入されているケースがスタンダード。慣性式集塵機だけで集塵を完結するというよりは、あくまで前処理を目的として使われ、他方式の集塵機と組み合わせて最終処理までを行うという流れになります。
慣性式集塵機が重宝される例としては、塗料のような液滴が含塵ガスに含まれる製造現場が挙げられます。
また、下記リンクでは、産業用の集塵機を扱うメーカーを【一覧】でまとめています。導入・検討材料として、ご覧ください。
製造現場で粒子径の大きな集塵に役立つ慣性式集塵機は、ランニングコストも比較的安価であることも含めて、集塵機全体をしっかりと下支えする存在。最初の工程で慣性式集塵機が有害物質を分離することで、最終処理までより効率よく集塵する体制も整うでしょう。
その結果、施設の周辺環境や現場スタッフの健康を守るといった点にも貢献できます。
下記リンクでは、集塵機メーカーが行う「SDGs」について紹介しています。工場でも行える、環境問題に配慮した取り組みが気になる方は、チェックしてみましょう。
集塵機には様々な特性をもった製品があります。実際に集塵機を導入する際には、用途や環境に応じて適切なものを選ぶことが重要です。ここでは、排出する粉塵や設置スペースに適した製造現場に合わせたおすすめの集塵機を3つご紹介します。
レーザーマーカーのヒュームを除去
電子機械製造業へ導入
引用元:チコーエアーテック
https://biz.chiko-airtec.jp/lineup/
連続稼働で塗装面の異物吸着を防ぐ
自動車産業へ導入
引用元:新東工機製作所
https://kshinto.co.jp/product/dust/
反応工程で発生する有害ガスを除去
洗剤・洗浄剤製造業へ導入
引用元:集塵装置株式会社
https://www.ducoll.co.jp/product/factory/