湿式集塵機とは、水などの液体を用いて空気中のダストを捕集する装置の総称です。特に鉄粉やオイルヒュームなどの細かいダストに対して有効です。
湿式集塵機は、水を利用して空気中の粒子を捕集する装置です。仕組みはまず、塵埃を含む空気が導入されます。導入された空気中の塵埃は直流高電圧を印可した捕集チャンバーへ導入され、静電気力によって集塵板へ引き寄せられます。捕集チャンバーには水が供給されており、集塵板に引き寄せられた塵埃を水に溶かして洗い流します。これを、湿式電気集塵方式といいます。一方で、ウェットスクラバー方式では、水を巻き上げ、内部の壁面に激しく衝突させて極めて効果的な気液混合が発生させることで、粉塵が水によって捕集されます。
湿式集塵機には複数の方式があり、対象粒子や工程条件によって適性が異なります。主要方式の概要と選定時の着眼点を一覧にまとめました。
| 方式 | 仕組み(要点) | 適応粉塵・対象 | 捕集効率(目安) | 水使用量(目安) | 排水処理 |
|---|---|---|---|---|---|
| 湿式電気集塵(WESP) | 高電圧で荷電→集塵極へ吸着し、水膜で連続洗浄 | 微細粉塵・ヒューム・ミスト | 高〜非常に高(微粒子に強い) | 低〜中 | 必要(固液分離・濾過等) |
| ベンチュリースクラバー | 喉部で高速化→液滴と衝突・付着(強い気液混合) | 広範な粉塵、サブミクロン粒子、粘着性ヒューム | 高(差圧高め) | 中〜高 | 必要(沈殿・濾過・中和など) |
| インパインジング(衝突)スクラバー | 液面・壁面に粒子を衝突させ捕集 | 中〜大粒径粉塵(1〜数μm以上) | 中〜高 | 中 | 必要(固液分離中心) |
| スプレー(噴霧)スクラバー | ノズル噴霧液滴と粒子の接触・付着 | 一般粉塵・臭気併用対策 | 中 | 中 | 必要(濾過・沈殿) |
| 充填塔(パックドベッド)スクラバー | 充填材上の液膜に粒子・ガスを接触吸収 | 粗粉塵+ガス成分同時処理 | 中 | 中 | 必要(循環水の管理) |
代表的な方式の分類と定義:
仕組みのイメージ(共通概念):
「含塵気流 → 気液混合/荷電・衝突・付着 → 液側へ移送 → 固液分離・水処理 → 清浄ガス排出」
排水処理の具体例:
省水・省メンテの新技術例:
乾式との比較の補足:
使用環境別の適用例:
特殊環境(湿気・スパッタ混在、発熱工程など)では、気液混合で火花・発火リスクを抑えられる点や、粘着ダストの付着を洗い流せる点が湿式の強みです。
湿式集塵機では、多種健康リスク(粉塵・鉛・金属ヒューム・アスベスト・放射能・ダイオキシン・PM2.5など)の低減をはじめとした様々な環境負荷を低減できる可能性をもっています。持続可能な生産性を確保するために、貢献できる設備といえるでしょう。
関連するSDGsゴールの具体例:
環境負荷の観点(乾式との比較の一例):
集塵機には様々な特性をもった製品があります。実際に集塵機を導入する際には、用途や環境に応じて適切なものを選ぶことが重要です。ここでは、排出する粉塵や設置スペースに適した製造現場に合わせたおすすめの集塵機を3つご紹介します。
レーザーマーカーのヒュームを除去
電子機械製造業へ導入
引用元:チコーエアーテック
https://biz.chiko-airtec.jp/lineup/
連続稼働で塗装面の異物吸着を防ぐ
自動車産業へ導入
引用元:新東工機製作所
https://kshinto.co.jp/product/dust/
反応工程で発生する有害ガスを除去
洗剤・洗浄剤製造業へ導入
引用元:集塵装置株式会社
https://www.ducoll.co.jp/product/factory/