ここでは、レーザー加工機等を使用する際に発生するヒュームの問題点、ヒュームを集塵する際の課題、ヒューム集塵機を選ぶときのポイントなどについて解説しています。
レーザー加工等の工程において適切にヒュームを除去するシステムがなければ、製品の歩留まり率が低下する恐れがあります。長期的に安定した製品を生産し続けられるよう、適切なヒューム集塵機の導入・新調を検討しましょう。
レーザー加工などの工程で発生するヒューム。このヒュームを適切の抑制・除去する対策を施さなければ、ワークにヒュームが付着して製品の劣化を招きます。また、ヒュームがレーザー加工機のレンズに付着すれば、焦点ずれや印字ずれなどの発生が多くなり、製品の歩留まり率の低下にもつながるでしょう。
もとより、ヒュームの蓄積自体がレーザー加工機の故障原因となることもあるので、安定的な生産を維持するためには、加工の工程で生じるヒュームの抑制・除去対策が大変重要なテーマとなります。
レーザー加工機を取り扱う多くの現場では、すでにヒューム対策を行っていることと思われますが、今後の安定的な生産性を維持していくため、導入済みの集塵機が適切な製品であるかどうか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。
ヒュームとは、レーザー加工やはんだ付けなどの工程で発生する粒子の一種。加工の対象物から発生する蒸気が凝縮することでヒュームが発生します。
対象物の性質によりヒュームの性質も異なりますが、大きく分けると「さらさらヒューム」と「ねばねばヒューム」の2種類が見られます。
さらさらヒュームとは、文字通り、さらさらした性質の対象物を加工する際に発生するヒュームのこと。ガラスやアクリルなどにレーザー加工を施す際、さらさらヒュームが生じます。
ねばねばヒュームとは、ねばねばした性質の対象物を加工する際に発生するヒュームのこと。フィルム系材料、ヤニ・接着剤を含んだ合板、合成樹脂などにレーザー加工を施す際、ねばねばヒュームが生じます。はんだ付けで発生するヒュームも、ねばねばヒュームの一種に該当します。
| ヒューム性状 | 推奨集塵機構 | 推奨フィルター/吸着 | 付着・目詰まり対策 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| さらさらヒューム(無粘着) | フィルター式(カートリッジ/バグ)+必要に応じてサイクロン前置き | プレフィルター+HEPA(臭気ありの場合は活性炭) | 自動パルスジェット/シェーキング、差圧管理 | 微粒子はHEPAで最終捕集。ダクトは短く曲げを少なく。 |
| ねばねばヒューム(粘着・凝縮性) | 吸着一体型フィルター式(ゼオライト/活性炭)または湿式スクラバーの併用 | 吸着剤カセット+プリーツ/不織布、活性炭/ゼオライト層 | 自動振動・逆洗/パルス、ヒーター式予熱/ダクト保温、ドレン排出 | 粘着性低減のため予熱や配管保温で凝縮を抑制。 |
特に粘着性が高いヒュームには、自動振動・パルスジェット・ヒーター式乾燥などの選択肢を組み合わせ、凝縮固着を最小化します。装置前段にプレフィルターやミストセパレーターを設けると、主フィルター寿命の延伸に有効です。
一般的な集塵機でヒュームの集塵を図った場合、特に「ねばねばヒューム」の集塵においてヒュームがフィルタで冷えて固着。フィルタの目詰まりが発生し、その交換頻度が高まります。
また、ヒュームからは独特の臭気が発生しますが、一般的な集塵機では、これを脱臭することができません。
レーザー加工の現場に集塵機を導入する際には、これら「目詰まり」の問題と「臭気」の問題の両方に注目して製品選びをすることが望ましいでしょう。
レーザー加工の現場に集塵機を導入する際には、以下の点を重視して各製品を比較してみましょう。
レーザー加工の対象物や加工法などにもよりますが、必要に応じて、溶接ヒュームと金属粉塵の両方を1台で捕集できるタイプかどうかを確認しましょう。
インバータによる自動風量制御機能や省エネ性能も備えた製品であれば、なお良しです。
製品自体の性能は良くても、電源確保が難しいタイプの場合、改めて電源工事が必要になるなどの手間・時間・コストが掛かります。ヒューム用集塵機を選ぶときには、電源確保しやすいタイプかどうかを確認しましょう。
たとえば100Vコンセントで稼働するタイプなら、基本的にどのような現場でも電源を引っ張りやすいのではないでしょうか。
溶接などを行う際に生じるスパッタや火花が集塵機の内部へ侵入すると、故障や火災を誘発することがあり、大変危険です。集塵機を選ぶときには、スパッタ・火花の対策が施されたタイプかどうかをチェックすることが大切です。

CCBAシリーズは、作業環境を清潔に保つために設計されています。一次フィルタはヒューム吸着剤(ゼオライト)と一体化したカセット型で、振動式の塵落とし機能により初期性能を維持します。吸込・排気フランジは簡単に変更可能で、二次フィルタは電気部品を粉塵から保護します。フィルタの負荷に応じて吸引圧力を自動調整するブロア、臭いを吸着する活性炭カセット、そしてHEPAフィルタを標準搭載した排気フィルタも備えています。これらの特徴により、レーザーマーキング作業時の粉塵を効率よく除去します。
さらに、この集塵機はNRTL認証を取得しており、安全性と信頼性が保証されています。NRTL認証は、北米市場での製品の安全性を示す重要な基準であり、ユーザーは安心して使用できます。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 出力 | 500W |
| 電圧 | 100V-115V単相(50/60Hz) |
| 定格電流 | 7.8A |
| 最大風量 | 2.7-2.9㎥/min(ゼオライト付着時) |
| 最大静圧 | 9.3 - 9.5kPa |
| 騒音値 | 54 - 59dB |
| 吸込口サイズ | φ75(別売φ65・φ50・φ38) |
| オプション対応 | 220-230V単相(-UL2) |
| 質量 | 32.5kg |
| 本体寸法(D×W×H) | 405mm × 386mm × 512mm |
| 電源コード | 3m |

JXMシリーズの集塵機は一般粉塵用、ヒューム用として推奨されており、変わらない吸引力と高いメンテナンス効率が特徴です。この集塵機はフィルタ内部で圧縮エアーを衝突させる対向パルスジェット機能を搭載しており、フィルタの目詰まりを防ぎ、吸引力を一定に保ちます。また、タッチパネル操作盤により操作が簡単で、各種パラメータの設定や履歴確認も可能です。さらに、インバータ制御盤によって省エネルギー運転が可能であり、ランニングコストの低減に貢献します。用途に応じて様々なダスト排出機構が選択でき、最適な集塵性能を提供します。
| ラインアップ | JXM-Ⅱ | JXM-Ⅲ | JXM-Ⅳ | JXM-Ⅴ | JXM-Ⅵ | JXM-Ⅶ | JXM-Ⅷ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ファン容量[kW] | 0.75 | 1.5 | 2.2 | 3.7 | 5.5 | 7.5 | 5.5×2 |
| 基準風量[m3/min] | 10 | 20 | 30 | 40 | 60 | 80 | 120 |
| ろ過面積[m2]()内オプション | 9(11) | 18(22) | 27(32) | 41(48) | 55(65) | 73(86) | 100(118) |
| フィルタ個数[本] | 2 | 4 | 6 | 9 | 12 | 16 | 22 |

コトヒラ工業のポータブル溶接ヒュームコレクターは、省スペースで移動が容易なAC100V仕様の集塵機です。この製品は5段階のスパッタ侵入対策を備え、安全に使用できます。清掃やフィルタ交換が簡単で、コンパクトな設計により作業台の下にも収納可能です。高い捕集率と広い捕集面積を持つ難燃性フィルタを採用し、オプションでダクト口を2分岐にすることも可能です。
| 品名 | 400Wタイプ | 750Wタイプ |
|---|---|---|
| 型式 | KSC-W01 | KSC-W02 |
| 電源 | AC100V(50/60Hz) | |
| 消費電力(W) | 400 | 725 |
| 処理風量(m³/min) | 8 | 10 |
| 最大静圧(kPa) | 1.5 | 2.3 |
| 吸込ダクト径 | Φ101.6(呼径100) | |
| フィルタ構成 | 1次フィルタ:金属フィルタ(ラス網組合せ) 2次フィルタ:エレメントフィルタ(難燃性) 捕集効率:0.3µm 99% |
|
| 外形寸法(mm) | W490×D684×H704 | |
| 安全機構 | 金属フィルタ、衝突板、漏電遮断機 | |
| 重量(kg) | 60 | 65 |
| 同梱品 | 硬質ダクト1m×1本、ダクトバンド×2ヶ、吸煙フード、ダクト保持具、ダクト清掃用ブラシ | |

スイデンの移動式ヒュームコレクターSFC-M600は、単相100V電源で稼働し、360度旋回および伸縮可能なダクトアームを備えています。フィルターは工具不要で簡単に脱着でき、メンテナンスが容易です。ダストチャンバーにより底に溜まった塵も簡単に処理でき、移動に便利なキャスターも付いています。さらに、HEPAフィルター(別売り)を装着することで排気をよりクリーンに保つことが可能です。
| 品名 | SFC-6600-1V-5 | SFC-6600-1V-6 |
|---|---|---|
| 電源 [V] | 100 | |
| 周波数 [Hz] | 50 | 60 |
| 風量 [m³/min] | 11.0 | |
| 静圧 [kPa] | 2.23 | 2.20 |
| 消費電力 [W] | 750 | 870 |
| 運転電流 [A] | 7.6 | 8.6 |
| 騒音 [dB] | 75.0 | 77.5 |
| フィルター面積 [㎡] | 10 | |
| 質量 [kg] | 84 | 83 |
| 外形寸法 [mm] | W587 × D838 × H732 | |

アマノの溶接作業用集塵機FCNシリーズは、高効率の集塵性能を持ち、特に溶接ヒュームの捕集に優れています。火花や火種を吸引するリスクを低減するための火花センサーと煙センサーを標準装備し、安全性を確保しています。また、旋回流式分離部と吸熱ローラーによる火花の着火防止機能を持ち、フィルターの長寿命化にも貢献します。
| 型式 | FCN-30 | FCN-45 | FCN-60 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 電源 | 3相200V 50/60Hz各専用 | |||||||||
| 出力(kW) | 1.5 | 2.2 | 3.7 | |||||||
| 集塵機本体 | 風量(m3/min) | 0 | 12 | 18 | 0 | 20 | 30 | 0 | 30 | 45 |
| 静圧(kPa) | 2.55 | 1.72 | 0.75 | 2.55 | 2.22 | 1.30 | 2.84 | 2.20 | 1.00 | |
| 騒音(dB[A]) | 70 ±2以下 | 70 ±2以下 | 73 ±2以下 | |||||||
| フィルター | 面積(m2) | 27.0 | 40.5 | 60.8 | ||||||
| 本数(個) | 4 | 6 | 9 | |||||||
| 形状 | 成形カートリッジ(長さ750mm 132山Φ200) | |||||||||
| 材質 | ポリエステルスパンボンド | |||||||||
| 払落し | 自動パルスジェット(一定間隔) | |||||||||
| ダイヤフラム弁数(個) | 2 | 3 | 3 | |||||||
| 圧縮空気消費量(L/min) | 20 | 30 | 40 | |||||||
| 火花センサー | 標準装備 | |||||||||
| 煙センサー | 標準装備 | |||||||||
| 吸熱ローラー駆動モーター | 2.2W×2 | |||||||||
| バケット容量(L) | 分離BOX下部 | 16 | 30 | 44 | ||||||
| 集塵機下部 | 25 | 18×2 | 20×2 | |||||||
| 推奨ブレーカ(A) | 15 | 20 | 30 | |||||||
| 電源コード(m) | 3(4心・プラグなし) | |||||||||
| 吸込口径(mm) | Φ150 | Φ200 | Φ250 | |||||||
| 大きさW×D×H(mm) | 998×651×1817 | 1268×660×1827 | 1358×840×1897 | |||||||
| 質量(kg) | 245 | 305 | 430 | |||||||
| 塗装色 | 日塗工F35-85A | |||||||||
適切なヒューム対策が歩留まり率に影響を与えること、さらさらヒュームとねばねばヒュームの違い、ヒューム集塵をめぐる問題点、ヒューム用集塵機を選ぶときのポイントなどについて解説しました。
安定した生産性を長期的に維持するためには、導入しているレーザー加工機に適したヒューム集塵機を併用することが大切です。集塵機の導入や新調にはコストが掛かりますが、長期的な生産性の維持を考慮し、性能には妥協せず良質な集塵機を選ぶようにしましょう。
さらに、ヒュームの長期吸入は作業者の呼吸器症状や粘膜刺激の一因となり得ます。現場導入時は、100V対応で設置しやすいモデルや、省スペース設計、安全機能(火花センサー/過熱保護/漏電遮断など)を備えた機種を優先すると、立上げと運用の両面でメリットが大きくなります。
[internal_link url="https://www.duscoll-navi.com/" text="排出する粉塵、設置スペースに適した【製造現場別】おすすめ集塵機3選"]
集塵機には様々な特性をもった製品があります。実際に集塵機を導入する際には、用途や環境に応じて適切なものを選ぶことが重要です。ここでは、排出する粉塵や設置スペースに適した製造現場に合わせたおすすめの集塵機を3つご紹介します。
レーザーマーカーのヒュームを除去
電子機械製造業へ導入
引用元:チコーエアーテック
https://biz.chiko-airtec.jp/lineup/
連続稼働で塗装面の異物吸着を防ぐ
自動車産業へ導入
引用元:新東工機製作所
https://kshinto.co.jp/product/dust/
反応工程で発生する有害ガスを除去
洗剤・洗浄剤製造業へ導入
引用元:集塵装置株式会社
https://www.ducoll.co.jp/product/factory/